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おやじのことば
日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)
長沢 佑
線上閱讀長沢 佑《日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)(おやじのことば)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,101 字 · 11 頁
貧農のうたえる詩
春―― 三月――
薄氷をくだいて
おらあ田んぼを打った
めっぽー冷こい水だ
足が紫色に死んで居やがる
今日は初田打
晩には一杯飲めるべーと気付いたので
おらあ勇気を出した
ベッー※(感嘆符二つ、1-8-75)
手に唾をひっかけて鍬の柄をにぎった
だがやっぱりだめ
手がかじかんで動かない
ちきしょう
おらあやっぱり小作人なんだ
それから夏が来た
煮えかかるような田の中で
俺達は除草機の役をする
十日も続く 指の先から血が滲む
其のいたいったら
ちきしょう!
地主のうちの娘っ子が通る
メンコイ顔した娘っ子が
町の女学校へ行くんだ
柄のデッケイこんもり傘だ
涼しそうなパラソルだな 俺んもな
妹の野郎がおふくろにしゃべった
馬鹿野郎 だまって仕事しろ
俺は呶鳴った したらみんなだまった
また今年も半作だぞ
親父が暗い顔で言った
地主の野郎は今頃扇風機の三つもかけて居やがるだろう
ああ暑くて死にそうだ!
おらあやっぱり小作人なんだ
渡り鳥が来て秋に成った
それからすぐ又冬が来た
親父が又言った
今年も半作だぞ……
然し俺達は今迄の小作人では無かった
村では去年にこりて
組合を作ることにした
下村の奴等が仲間に成れと云って来た