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あねがわのかっせん
日本合戦譚
菊池 寛
線上閱讀菊池 寛《日本合戦譚(あねがわのかっせん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 154,771 字 · 313 頁
越前にいた信長は、長政反すると聞いたが、「縁者である上、江北一円をやってあるのだから、不足に思うわけはない筈だ」と、容易に信じなかったが、事実だと知ると、周章して、這々の体で、間道を京都に引き上げた。此の時、木下藤吉郎承って殿りを勤めた。金ヶ崎殿軍として太閣出世譚の一頁である。
信長やがて、岐阜に引き上げ、浅井征伐の大軍を起し六月十九日に発向して、浅井の居城小谷に向った。それが姉川合戦の発端である。
戦前記
京都から岐阜に帰って準備を整えた信長は、六月十九日二万有余の大軍を催して、岐阜を立ち、二十一日早くも浅井の本城なる小谷に迫って町家を焼き払った。しかし、浅井が出でて戦わぬので、引き上げて姉川を渡り、その左岸にある横山城を攻めた。そして、横山城の北竜ヶ鼻に陣して、家康の来るを待った。六月二十七日、家康約五千余騎を率いて来援した。
(家康に取っても、大事な軍であった。信長より加勢を乞われて、家康の諸将相談したが、本多平八郎忠勝、家康に向って曰く、「信長公を安心の出来る味方と思っているかも知れぬが、そうとは限らない。折あらば殿を難儀の軍などさせ戦死をもなさるように工まぬとも限らない。