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きゅうぶんにほんばし

旧聞日本橋

長谷川 時雨

線上閱讀長谷川 時雨《旧聞日本橋(きゅうぶんにほんばし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 158,045 字 · 322 頁

青空文庫

初春のことで、かねて此邸だと思う、武家の後家の住居をつきとめると、流していた一文獅子を引っぱってきて、賑わしく窓下で、あるっかぎりの芸当をさせ、自分は離れた向う角にいた。近所からあつまった見物や子供たちはよろこんで騒ぐので、思わず卯兵衛さんが顔を出し、目的の女も顔を見せた。そこで騒ぐのでも訪れるのでもなく、小りん女房はニッコリと帰って来てしまうという手だ。卯兵衛さんの閉口したことはいうまでもなかろう。

二人の間に二人の男の子があって、上は(前出テンコツサン)出走人となってしまった。わたしの父はいたずらッ子で、お母さんを困らせようとして、叱られたときに、大事にしていた長吉人形の前髪と、奴さんと、ジジッ毛を、鋏ではさんでしまった。大きくなってからも、両親が蔵の縁の下に、金を埋てあるのを、いつの間にか虎太郎五十両拝借と書いた、附木一枚を手形がわりにして持っていったりしたことを、風通しのよい、青い林檎の実ったのが目のさきにある奥二階の明り窓のきわで、小粒や二朱金を金盥で洗ったり、糠袋のような小さい麻の袋に入れかえるとき、そばにかしこまっているアンポンタンに、