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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
線上閱讀長谷川 時雨《旧聞日本橋(きゅうぶんにほんばし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 158,045 字 · 322 頁
妙に晴がましかったが、押上げてくれた人たちが不思議とほこらしげにニタニタ笑っていた。日傘ほどの大きな団扇で誰かが煽いでくれる――お金ちゃんのお父さんは首から拍子木をかけていて、止るところや何かで鳴らした。火の用心と赤く書いてある腰にさげた袋から煙草を出して吸った。行列が深川の高橋にかかった時、あたしは橋の上から後の方を見渡して、誰もほかに知ったものはなし、何処につれてってしまわれるのかとホロホロして帰してくれとせがんだが、もう仕用がないときかれなかった。
憲法発布の時、大丸では舞楽の「蘭陵王」の飾りものをした。これは日本橋油町の鉾出車にあったもので、神田田町の「猿」、京橋の「閑古鳥」と並んで、有名な日本橋の「竜神」とは違うが維新の時国外へ流れ出てしまった、この有名な蘭陵王の面は、アメリカにあるとかいった。大丸では当時の町総代が京都までいって織らせた、蘭陵王の着用の裂れ地の価値を知っているので、それを造って飾った。その日何処でもしたという酒樽のいくつかが、大丸の前にもかがみが抜いて柄酌がつけて出された。
油町側では憲法発布の由来というような、通俗的な演説会といったふうなものを催した。