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わせだだいがく

早稲田大学

尾崎 士郎

線上閱讀尾崎 士郎《早稲田大学(わせだだいがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 112,204 字 · 220 頁

青空文庫

框に腰をおろした。それから、ハ、ハ、ハ、ハ、と腰をゆすぶって笑いだしたが、すぐ前かがみになって声をひそめた。「昨日、大井憲太郎さんに会うたんじゃ、ほかに人がいて雑談をしとるうちに、大井さんが妙なことを言いだしなさった、――話はその上にドカン! じゃが、それが横浜の外人墓地の裏に埋めてあるそうじゃ」。

「どげんして?」。

「詳しいことは知らん、――加波山事件のときの遺物だそうじゃ、大井さんもそれ以上の話はせんかったが、こいつはうまいと思ったからおれはすぐ素知らぬ顔をしてかえってきた、――貴様、今夜にでも頭山さんとこへ行て、大井に紹介状を書いてもらえ、大井なら決心をうちあけてもよかろ、早うせんと出来んぞ」。

「そいつはええ」。

来島の顔がみるみるうちにひきしまってきたのである。その晩、彼は無けなしの財布をはたいて辻俥を赤坂にいる頭山の宿屋へ走らせた。頭山は大井に会いたいという来島の言葉の底から何事かをかんじとったらしい。事はせかんでもええ、大井ならおれが明日の朝自分で出かけて貴様の思いどおりにしてやる、おれも今から飯を食うところじゃ、――いっしょに牛肉でもつついてゆかんか、といって手を鳴らし、女中に牛鍋の用意をさせてから、二、三日前に谷干城の屋敷で開かれた密議の模様を、しずかなとぎれがちな言葉で話しだした。