輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
線上閱讀坂口 安吾《明治開化 安吾捕物(めいじかいか あんごとりもの)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 27,839 字 · 55 頁
この下曾我というところは、今では小さな駅があって、国府津駅の次である。曾我五郎十郎ゆかりの地。戦後は尾崎一雄先生がこの地で病を養っている。彼の先祖伝来のふるさとである。病気で出歩けないし酒ものめないから、ラジオをきき雑誌をよみ、居ながらにして間に合うものの中にアラはないかと耳目をといでいる。
これもタンテイと云うのであろう。居ながらにして敵のアラを見破るのだからタンテイであるが、彼は本来浮浪を性とする人間で、早慶戦のラジオをきくのは彼の生れつきの仕事ではない。彼はいくつになってもラジオ応援歌の中にまじりこんでるシャガレ声の一ツなのである。万やむを得ず一室にこもって耳目をといでいるのだから、本来の名探偵とは違う。けれども甚だ退屈しているから、村に事あればジッとしていられずヤオラ起き上って指図をやきたがるが、根がタンテイの才がないから悪賢い犯人はつかまらない。彼がまだ生れないうちにこの怪事件が起ったのは下曾我村の慶事であった。
轢断された屍体は首と胴と両脚とがバラバラになって翌朝発見された。轢断した汽車の運転手から報告がなかったから、何時の汽車にやられたのか、電話もない時世のことで、それを調べるだけでもヤッカイなことである。