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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
線上閱讀坂口 安吾《明治開化 安吾捕物(めいじかいか あんごとりもの)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 24,354 字 · 49 頁
新規開店の川木では、そうおさまってはいられない。彼自身も足を棒にして顧客を開拓したが、今後もそれを怠るわけにいかない。
小間物屋の顧客は主として花柳界、つづいてお邸や大商店の奥様お嬢様などであるから、そこへ出入りする番頭は、男ッぷりがよくて愛想がよくて、御婦人方の気に入られる男でなければならない。ところが、男がよくて愛想がよいから、もてる。あげくに手に手をとって、というのはまだ良い方で、お出入り先のたくさんの御婦人連とネンゴロになりすぎて、事を起し、店の信用を落してしまうというのが、少くない。
そこで藤兵衛は考えて、お得意まわりに一人前の番頭をやるからいけない。これは小僧をやるに限る、こう結論して、利発で、愛嬌があって、愛想もよくて、顔の可愛い子供を十一二から仕込んで、十五六になると、そろそろお得意まわりにだす。これが非常に効を奏した。花柳地では、姐さん連に可愛がられるし、お邸の奥様方にも、気がおけなくッて、おもしろくッて、この方がよいという評判である。
そこで藤兵衛の店では、番頭の修作が二十三、大そう若い年だが、これが唯一人の大人である。もっとも、藤兵衛の甥の芳男という修作と同じ年のが、藤兵衛の代理格で、働いている。