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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《明治開化 安吾捕物(めいじかいか あんごとりもの)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 24,951 字 · 51 頁

青空文庫

又、竹造の潜水船も積みこんで行かねばならぬ。

こうして八十吉ら五名の男女は畑中の注意にしたがい、土佐沖へ出稼にと称して郷里をたち、昇龍丸に乗りこんだのである。昇龍丸は誰の怪しみをうけることもなく出帆した。

★

船には女は禁物という。その女を乗せるについては、畑中も甚だ不安にかられた。しかし息綱持ちが彼女らに限るとなれば、どうにも仕方のないことだ。

日数を重ねて目的の地に近づくころから、彼の不安が事実となって現れてきた。以前の航海ではこれ程のことはなかったのに、なんとなく船全体が殺気をはらんで息苦しい。船員たちが二人の女を見る時には、すでに優しさを失い、最も厭まわしい物を見るような憎みきった目附きになり易いのは、愛慾が野獣のものになりかけている証拠であった。

キンもトクも同年の二十三。息綱を持つだけが能ではなくて、今も海底へくぐって海草や貝を採る海女でもある。その肉体はハチ切れるように豊かにのびて、均斉がとれ、まるで健康そのものだ。キリョウも満更ではないから、この際益々困り物というわけだ。

この船の料理方の大和は船底のボス、深海魚のような男であった。