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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
線上閱讀坂口 安吾《明治開化 安吾捕物(めいじかいか あんごとりもの)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 24,951 字 · 51 頁
彼は海の浮浪児だった。子供の時に密航を企てて外国船に乗りこみ、それ以来、外国商船や捕鯨船の船員として七ツの海を遍歴してきた荒くれだ。それだけに、海についての経験は確かである。特に外国航路ともなれば、船長とても彼の経験に縋らねばならぬ。外国の港で水や燃料の積込みから、腐らない安酒の買い込みまで、大和の手腕にたよらなければならないのである。
大和が料理方というポストを自ら選んで占領したのも、料理の腕があるからではなく、船内の特権を独占するためであった。彼は他の船員をアゴで使って料理に立働かせ、自分は終日酔いどれていた。そして他の船員が酒や特別の食物を所望する場合には、金銭でなければ何かの義務で相当の代償を支払わねばならなかった。
大和を最も憎んでいたのは、通辞の今村善光だ。彼は元々船員ではない。海外への処女航海というので、通訳方に雇われたインテリで、この船内では唯一人の文化人であった。
今度の航海が真珠の密漁のためであっても、名目は外国への航海だから、今村は再び乗りこんでいる。否、恐らくこの航海の目的に対して、最も深い関心と執念を蔵しているのは彼であったかも知れない。