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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
線上閱讀坂口 安吾《明治開化 安吾捕物(めいじかいか あんごとりもの)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 32,242 字 · 65 頁
所詮は田舎の旦那芸。田舎侍がコロコロ負かされるのは当り前だ。田舎侍の碁天狗などに碁の本筋が分る奴は一人だって居やしない。千頭津右衛門などと名前だけは大そうだが、こちとらは金持ちとちがって一文無しで叩き上げた筋金入りの腕前。生馬の目玉をぬく江戸の天狗連を総ナメのアンチャンだ。二目はおろか三目でも負かしてみせらア。アッハッハ。という肚の中。ひとつ田舎天狗の大将をオモチャにしてやろうというので、はるばる川越くんだりへ御足労とシャレた次第であった。甚八に遠慮なく白をとられても、津右衛門には蚊のとまったほども応えないらしく、クスリと笑って、
「私の耳には江戸の噂も稀にしか届かないが、六段格の甚八さんという名はついぞ聞いたことがないな。むやみに白を握りたがる人に強い人はいないものだが、血気のころは私も覚えのあることだ。せっかく御光来のことだから、お気に召すように打ってあげよう。その代り、いいかね、一番手直りだよ。お前が負ければ私が白。また負ければ、お前さんが二目。また負ければお前さんが三目。また負ければお前さんが四目。また負ければお前さんが五目。また負ければお前……」