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しょうわよねんのぶんだんのがいかん
昭和四年の文壇の概観
平林 初之輔
線上閱讀平林 初之輔《昭和四年の文壇の概観(しょうわよねんのぶんだんのがいかん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 14,557 字 · 29 頁
になる。それは、読者は、同じくらいな価値のものなら珍しいものを好むからだ。文壇気質がこまやかで、作家と編集者とが友人的、朋党的関係をむすんでいた時代には、それでも中堅作家の没落をある程度まで防ぎとめることができたが、そうした旧式な編集方法は今日のジャーナリストはとらない。産業合理化の原則は、ジャーナリズムの領域へも移入されて、能率の上がらない作家は、無慈悲に淘汰されてゆく。
ある編集者の言葉によると、近頃では、締め切りの期日におくれたり、催促をするのに非常に骨の折れるような作家にはもはや執筆を依頼しないということである。創作も現代においては一つのビジネスである。少なくもジャーナリストの側にたてば、創作をビジネスと見なし、作品を純然たる商品と見なさなくては仕事ができないのである。
そうなってくると、作家とジャーナリストとの地位は転倒する、かつては作家がジャーナリストを支配し得たが、今ではジャーナリストが完全に二流以下の作者をコントロールしている。某雑誌では、作者に原稿を依頼しておいて、作品が編集者の意に満たないと二度でも三度でも書き直しを要求するということである。