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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(二)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,865 字 · 432 頁
何をしゃべったか知らないが、男のいい岡っ引を引っ張り込んで、酒を飲ませてふざけながら、自分たちの秘密を洩らしたかと思うと、お角はむやみに文字春が憎らしくなって、行きがけの駄賃に殺すつもりか、それとも顔にでも傷をつけるつもりか、ともかくも彼女の家へ押掛けて行ったのが運の尽きで、お角はわが身を井戸へ沈めることとなったのである。勿論、死人に口なしで、お角がほんとうの料簡はよく判らない。事情の成行きで唯こう想像するだけのことであった。
徒党の者はすべてその罪状を白状した。源助は一旦その姿を晦ましたが、千住の友達へ立ち廻ったところを捕えられた。主犯者の池田屋と大桝屋は死罪、菩提寺の住職とお兼は遠島、その他の者は重追放を申し渡された。
これでこの怪談は終ったが、ついでに付け加えて置きたいのは、その明くる年に桐畑と津の国屋とに二組の縁談の纒まったことであった。一方は常吉と文字春とで、一方は勇吉とお雪であった。常吉は二十六で、文字春は二十七であった。勇吉は十七で、お雪は十八であった。もっとも、津の国屋の方は約束だけで、ほんとうの祝言はもう一年繰り延べることとなったが、二組ともに一つずつの年上の嫁を持つというのは、そこに何かの因縁があったのかも知れないと、大工の兼吉は仔細ありそうに話していた。