輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(六)

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(六)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 196,831 字 · 396 頁

青空文庫

そこの土間には荒筵が敷かれてあった。

俊乗の云った通り、死骸の紛失は八ツ過ぎで、自分が便所へ立った留守の間であると、了哲は更に説明した。わずかの間に女が蘇生して逃げ去ったとは思われない。恐らく何者かがうしろの山伝いに忍び込んで、自分の立った隙をみて死骸を担ぎ去ったのであろうと云うのである。

成程この寺のうしろには山がある。土地では山と呼んでいるが、実は小高い丘に過ぎない。それでも古木や雑草がおい茂って、人を化かすような古狢が棲んでいるなどという噂もある。その山を越えると、大きな旗本屋敷が三、四軒つづいている横町へ出る。平生は往来も少なく、昼でも寂しい場所であるから、この方面から忍び込んで死骸をかつぎ出すようなことが無いとは云えない。

それにしても、その死骸を担ぎ去るほどならば、縛られ地蔵に縛り付けて置く必要もあるまい。一旦その死骸をさらして見せて、再びそれを奪って行ったのは、何かの仔細が無ければなるまい。暮れかかる森のこずえを仰ぎながら、半七はしばらく思案に耽っていると、その知恵の無いのを嘲るように、ゆう鴉が一羽啼いて通った。

引っ返して庫裏へはいって、半七らは土間をひと通り見まわしたが、何かの手がかりになるような物も見いだされなかった。