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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(六)

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(六)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 196,831 字 · 396 頁

青空文庫

どうしましょう」

「仕方がねえ。又どっかで見付かるだろう」

「これからどうします」

「むむ。おれの考えじゃあ……」と、云いかけて、吉五郎は俄かに見返った。「留。あれを取っ捉まえろ」

見ると、うしろの寺の生垣の下に、犬か猫のようにうずくまっている小さい影がある。留吉は持っている提灯を親分に渡して、直ぐにその影を捕えに行った。影は飛び起きて、暗い坂の上へ逃げて行こうとするのを、留吉は飛びかかって押さえ付けた。吉五郎がさしつける提灯のひかりに覗いて見て、留吉はうなずいた。

「むむ。てめえか。このあいだからどうもおかしい奴だと思っていたのだ」

「おめえはその女を識っているのか」

「こいつは火の番の藤助のむすめで、お冬というんですよ」

「火の番の娘か」と、吉五郎もうなずいた。「おれもそいつを調べてみようと思っていたのだ」

「自身番へ連れて行きましょうか」

「いや、自身番なんぞへ連れて行くと、人の目に立っていけねえ。ここでおれが調べるから、おめえは提灯を持って往来を見張っていろ」

吉五郎はお冬の腕をつかんで、寺の門前へ引き摺って行ったが、正面は風があたるので、横手の生垣をうしろにしてしゃがんだ。