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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(四)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 217,272 字 · 434 頁
と、半七はきいた。
「それでも長さは小一尺ほどもある細長い箱で、はて何だろうとすぐに打ち毀してみると、なかには藁人形……。それはまあ有りそうなことですが、ねえ、親分、凄いじゃあありませんか。藁人形には小さい蛇をまきつけて、その蛇のからだを太い竹釘で人形に打ちつけてある。蛇はまだ死なねえとみえて、びくびく動いている。さすがの中間共もわあっと云って、おもわずその箱をほうり出したそうですよ。それでも気の強い奴があって、よくよくあらためて見ると、また驚いた。というのは、蛇ばかりでなく、人形の腹には壁虎が一匹やっぱり釘づけになって生きている。よっぽど執念ぶかい奴の仕業に相違ありませんね」
「それから、その箱をどうした」
「中間たちも薄気味悪くなったんでしょう。こんなものはしょうがねえというんで、川へほうり込んでしまったそうですよ」
半七はまた舌打ちした。その怪しい箱が何かの手がかりになろうものを、神田川へほうり込んでしまわれてはどうにもならない。それだから素人には困ると思いながら、それからどうしたと更にたずねると、中間どもはその上にまだ何かの獲物があるかと思って、再び犬を追い込んでみたが、犬は空しく引っ返して来たので、もう仕方がないとあきらめたらしく、そのまま引き揚げてしまったとのことであった。