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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(四)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 217,272 字 · 434 頁
すぐに立って奥へ行ったが、やがて又出て来て、丁寧に半七を案内した。中庭にむかった八畳の座敷で、先代の主人の好みであろう、床の間や違い棚の造作もなかなか念入りに出来ていた。屋台骨のしっかりしている家らしいと、半七はひそかに思った。
やがて女あるじというお勝が出て来て、これも丁寧に挨拶した。番頭もそばに控えていた。
「いや、別むずかしいことを訊くのじゃあありません。立ち話でも済むことですが、店さきではちっと工合が悪いので、奥へ通して貰ったのです」と、半七はすぐに口を切った。「実はほかの事じゃあありませんが、こちらには娘さんが二人あるそうですね」
「はい。姉は下谷の方に縁付いて居ります」と、お勝は答えた。「妹は近所へ一旦片付きましたが……」
「じゃあ、それがおそよさんといって、白山前町の岡崎屋へ片付いたのですね。そこで、そのおそよさんが岡崎屋を不縁になったのは、同商売の競合いからだというような噂もありますが、そりゃあ本当ですか」
なんと返事をしていいかと云うように、お勝はそっと番頭をみかえると、番頭は引き取って答えた。
「まあまあ、そんなような訳でございまして……。