輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(四)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 217,272 字 · 434 頁
ここで半七をおどろかしたのは、かの勝次郎の親方の大五郎が暗い顔をして、線香の煙りのなかに坐っていることであった。自分たちよりも先を越して、大五郎がここに来ていようとは、さすがに思いもよらなかった。それと向いあっているのが主人の藤左衛門で、服装は質素であるが如何にも大家のあるじらしい上品な人柄で、これも打ち沈んでうつむいていたが、半七らをみて鄭重に挨拶した。その挨拶が済むと、半七は先ず大五郎に声をかけた。
「一体、親方はどうしてここへ来なすった。わたし達も鼻を明かされてしまいましたよ」
「どう致しまして……」と、大五郎は小声で答えた。「けさ暗いうちに、こちらから迎いの駕籠がまいりましたので、何がなにやら判らずに参ったのでございます」
それにしても、線香の匂いがどこからか流れて来るのが半七の気になった。
「なんだか忌な匂いがしますね」
「それでございます。神田の親分さん、どうぞこれを御覧くださいまし」
藤左衛門が起って次の間の襖をあけると、そこには血みどろになった若い男と女の死骸がならべて横たえてあった。
「御免ください」
半七も起って行って、まずふたりの死骸をあらためた。