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さいこにほんのじょせいせいかつのこんてい

最古日本の女性生活の根柢

折口 信夫

線上閱讀折口 信夫《最古日本の女性生活の根柢(さいこにほんのじょせいせいかつのこんてい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,493 字 · 19 頁

青空文庫

小説とは言いじょう、源氏物語の人情物の時代になっても、なおかつ、光源氏の夕顔の許へ通いつづけたころは、紐のついた顔掩いをしていたように書いてある。まさかそのころはそんなこともなかったであろうと思う。が、こうしたことのできるのは、過去の長い繰り返しのなごりである。つまりは、よその村の男が通うて来る時に、とった方法と見るべきであろう。よその村が異種族の団体と見られていたのは、国家意識が出て後にも、なお続いていたであろう。が、こうした結婚法は、どこまでが実生活の俤で、どこからが神話化せられているのか、区別がつきにくい。

ただ、この形のいま一つ古い形と見られるのは、女の家に通うという手ぬるい方法でなく、よその娘を盗んでくる結婚の形である。

外族の村どうしの結婚の末、始終円満に行かず、何人か子を産んで後、ついに出されて戻った妻もあった。そうなると、子は父の手に残り、母は異郷にあるわけである。子から見れば、そうした母のいる外族の村は、言おう様なく懐しかったであろう。夢のような憧れをよせた国の俤は、だんだん空想せられていった。結婚法が変った世になっても、この空想だけは残っていて「妣が国」