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さいこにほんのじょせいせいかつのこんてい
最古日本の女性生活の根柢
折口 信夫
線上閱讀折口 信夫《最古日本の女性生活の根柢(さいこにほんのじょせいせいかつのこんてい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,493 字 · 19 頁
という語が、古代日本人の頭に深く印象した。妣は祀られた母という義である。また古伝説にも、死んだ妣の居る国というふうに扱うているが、この語を使った名高い僅かな話が、亡き母に関聯しているためであろう。この語は以前私も、日本人大部分の移住以前の故土を、譬喩的に母なる国土としたのだと考えていたが、そうではない。全然空想の衣を着せられて後は、恋しい母の死んで行っている所というふうに考えられたであろうが、意義よりも語の方が古いのである。こういった結婚法がやはりだんだんと見えている。
奪掠婚というが、これは近世ばかりか、今も、その形式は内地にも残っている。ただ古代の奪掠法とも見える結婚の記録も、巫女生活の記念という側から見ると、そう一概にも定められぬところがある。景行天皇に隙見せられた美濃ノ国泳ノ宮ノ弟媛(景行紀)は、天子に迎えられたけれども、隠れてしもうて出て来ない。姉八坂入媛をよこして言うには「私はとつぎの道を知りませんから」というのである。
おなじ天皇が、日本武尊らの母印南大郎女(播磨風土記)の許に行かれた際、大郎女は逃げて逃げて、加古川の川口の印南都麻という島に上られた。