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みらいのちかせんしゃちょう

未来の地下戦車長

海野 十三

線上閱讀海野 十三《未来の地下戦車長(みらいのちかせんしゃちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 41,930 字 · 85 頁

青空文庫

「さあ、僕は地下戦車だぞ。どこから、もぐるかなあ」

彼の手には、シャベルが握られていた。

「さあ地下戦車前進!」

彼は自分で、自分に号令をかけた。そして、えっさえっさと懸け声をして、シャベルで、庭の土を掘りだした。

弟の二郎が、その声をききつけて、とんできた。

「兄ちゃん。そこを掘ってどうするの。畑をこしらえて、お芋を植えるの」

「ちがうよ」

「じゃあ、ううッ、西瓜を植えるの。玉蜀黍植えるの」

二郎は、自分の大好きなものばかりを、かぞえあげる。

「ちがうよ、ちがうよ」

「じゃ、なにを植えるの。僕に教えてくれてもいいじゃないか。あ、分った。南京豆だい。そうだよ、南京豆だい」

「ちがうちがうちがう。ああ、くるしい」

一郎はふうふういって、泥だらけの手の甲で額を横なぐりに拭いた。

「あ、兄ちゃんが顔を泥だらけにした。お母ちゃんに、いいつけてこようッと」

二郎は、ぱたぱたと縁側をはしっていった。一郎は、自分の掘った穴をみている。こんなにふうふういって、穴を掘ったのに、その穴は、やっと自分の頭が、入るくらいの大きさに過ぎなかった。

「この人間戦車は、性能が悪いなあ」一郎は、嘆息した。