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ほんちょうへんたいそうれいし
本朝変態葬礼史
中山 太郎
線上閱讀中山 太郎《本朝変態葬礼史(ほんちょうへんたいそうれいし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 11,960 字 · 24 頁
屍体投棄から屍体保存へ
屍体投棄から屍体保存へ
我国で古く屍体を始末することはハフル(葬)と云うていたが、この語には、二つの意味が含まれていた。即ち第一は投るの意(投げ棄てる事)で第二は屠るの意(截り断つ事)である。しかして時間的に言えば投るが先で屠るが後なのである。
須佐之男命が古代の民族の為めに、の木を以て奥津棄戸に将臥さむ具――即ち棺箱を造ることを誨えたとあるが、それが事実であるか否かは容易に判然せぬ。それと同時に奥津は沖津の意であるから、古代には水葬のみで土葬はなかったと云う説もあるが、これは置つと解するのが正当ゆえ賛成されぬ。さらに棄戸とは死人を厭い、死者があると住宅を棄てて他に移ったので、かく言うたのであると説く学者もあるが、これもただ棄て去ると云うほどの意味に解すべきだと考えるので、にわかに首肯することが出来ぬのである。全体我国にも古代においては、屍骸を保存せずに投棄した習俗のあったことは、葬儀をハフルと称した点からも推察されるのである。遊牧期にある民族としては、こうした習俗は当然のことであって、実際を言うと水草を趁うて転々した時代においては、屍体のことなどに屈托しては居られなかったに相違ない。