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かれおばな

枯尾花

関根 黙庵

線上閱讀関根 黙庵《枯尾花(かれおばな)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 5,502 字 · 11 頁

青空文庫

時は、本城伊勢の安濃津へ差送ると号し、途中に於て護送者が男は陰嚢女は乳を打て即死せしめ、死骸を路傍の穴へ蹴込て、落着せしむる事あり、或時亭主殺しの疑いある女にて、繋獄三年に及ぶも証拠上らずされば迚追放にもなし難く、例の通りこの刑を行いしが、その婦人の霊、護送者の家へ尋ね行き、今日は御主人にお手数を掛たり、御帰宅あらば宜敷と云置き、忽ち影を見失いぬ、妻不思議に思いいるところへ、主人帰り来りしかば、こうこうと物語りしに、主人色を変じて容貌風体などを糺し、それこそ今日手に掛たる女なり、役目とは云いながら、罪作りの所為なり、以来は為すまじき事よと、後悔して後ち百姓となり、無事に一生を送りしと、僕上野に遊んだ際、この穴を見たが惜いかな、土地の名を聞洩した、何でも直き上に寺のある、往来の左方だと記憶している。

◎先代の坂東秀調壮年の時分、伊勢の津へ興行に赴き、同所八幡の娼家山半楼の内芸者、八重吉と関係を結び、折々遊びに行きしが、或夜鰻を誂え八重吉と一酌中、彼が他の客席へ招かれた後、突然年若き病人らしい、婦人が来て、妾は当楼の娼妓で、トヤについて食が進まず、鰻を食たいが買う