輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
やなぎばしものがたり
柳橋物語
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《柳橋物語(やなぎばしものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 104,300 字 · 202 頁
、試してからおせんを呼んだ。
「大丈夫だ、赤ん坊はおれが預かるから、そこへ足を掛けて下りな、落ちても腰っきりだ、よし、こんどはここへ捉まって、ゆっくりしな、そうそう、いいか」
「赤ちゃんを水に浸けていいの」
「焼け死ぬより腹くだしのほうがましだろう、いま上から蒲団を掛けるからな」
幸太は岸の上から蒲団を引き下ろし、いちど水につけておせんの頭から冠せた。……水はおせんの腰の上まであった。然も潮はひきはじめているとみえ、神田川の落ち口なのでかなり強い流れが感じられる。おせんは赤子を抱いたからだを石垣へ貼りつけるようにし、足は水の中でしっかりと石を踏ん張った。
「もう少しの辛抱だ、河岸の家が燃え落ちれば楽になる、まわりを見ちゃあいけない、なにも考えずにがまんするんだ、苦しくなったら水の面にあるいきを吸うんだぜ」幸太は手で蒲団へざぶざぶと水を掛け続けた、「……ちょっと待ちな、あそこへ手桶が流れて来る、手じゃ埒があかないからあいつを取って来て掛けよう、ちょっとのまがまんしてるんだ」
そう云って幸太は流れの中へすっと身をのしだした、仕事着のずんどに股引だけである。手桶は三間ばかり向うを流れているので、なんのことはないと思った。