輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
つちのなかからのはなし
桜の森の満開の下
線上閱讀坂口 安吾《桜の森の満開の下(つちのなかからのはなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 76,558 字 · 153 頁
天下の勢をもつ者も朕なり」と勅した天皇は、その鋳造を終って東大寺に行幸し、皇后と共に並んで北面の像に向い、凜々と大仏に相対し、橘諸兄に告げしめて「三宝の奴と仕え奉る」と、そして敬々しく礼拝した。人は実に自愛の果には、礼拝の中に身の優越を見出すものだ。
それは二人の宿命の遊びであった。五丈余の大仏と、それをつつむ善美華麗、天下の富をつくした建築、諸国には国分寺が立ち、国分尼寺が立ち、それは、まさしく天下の富を傾けつくしていたのである。
謚号して聖武天皇という。武は内乱の鎮定であるが、聖は神武の聖徳をつぎ、それにも劣らぬ天下興隆の英主としての聖の字であった。その聖の字はただ宮中の内外の仏徒の口によるものであり、その聖徳も仏徒によってたたえられているものだった。宮中にすら国民の窮乏に思いをよせる人はいた。果して天下は興隆したか。然り、仏教は興隆した。奈良の都は栄えた。諸国に国分寺がたち、大仏がつくられ、東大寺は都の空に照り映えた。天皇は三宝の奴となった。
然し、その巨大なる費用のために、諸国は疲弊のどん底に落ち、庶民は貧窮に苦しんでいた。朝廷は怨嗟の的となり、重税をのがれるための浮浪逃亡が急速に各地に起り、おのずから荘園はふとり、国有地は衰え、平安朝の貴族の専権、ひいては武家の勃興、朝家の没落の種はこうしてまかれ