輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

つちのなかからのはなし

桜の森の満開の下

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《桜の森の満開の下(つちのなかからのはなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 76,558 字 · 153 頁

青空文庫

その沈静な女たちの心情が厭うものは淫乱であり、正しとするものは信仰であった。

元明天皇が首皇子に安宿を与えるとき、特に言葉を添えて、これは朝家の柱石であり、無二の忠臣であり、主家のためには白髪となり、夜もねむらぬ人の娘なのだから、ただの女と思わずに大切にするように、という言葉があった。

然し、そのような言葉すらも不要であった。皇子の心はすべてに於て安宿によって満たされた。美貌と才気は言うまでもなかった。特にその魂の位に於て。天下第一の魂の位に於て。

まさしく二人は、そのように希われ、祈られ、夢みられて、その如くに育てあげられた無二の二人であった。首皇子を育てたものは、その祖母と伯母の外に、更により多く三千代であった。そして三千代は首皇子を念頭に常に安宿を育てていた。首皇子はその幼少に三千代にみたされて育った翳を、より若く、より美しい安宿の現実の魅力の中で、思いだし、みたされていた。曾て周囲の女人達に吹きこまれていた天下第一の身の貫禄を、安宿の自然の態度の中に見出して、その各が、より高く、みたされることが出来るのであった。

天平十八年、大仏の鋳造に当って「天下の富をたもつ者は朕なり。