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えどかとうきょうか

梵雲庵雑話

淡島 寒月

線上閱讀淡島 寒月《梵雲庵雑話(えどかとうきょうか)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 33,841 字 · 73 頁

青空文庫

当時は花火の種類も僅かで、大山桜とか鼠というような、ほんのシューシューと音をたてて、地上にただ落ちるだけ位のつまらない程度のもので、それでもまたミケンジャクや烏万燈等と共に賞美され、私たちの子供の時分には、日本橋横山町二丁目の鍵屋という花火屋へせっせと買いに通ったものである。

◇

芝居について見るも、今日の如く照明の発達した明るい中で演ずるのではなく、江戸時代は全くの暗闇で芝居しているような有様であったので、昔は面あかりといって長い二間もある柄のついたものを、役者の顔前に差出して芝居を見せたもので、なかなか趣きがあった。人形芝居にしても、今日は明るいためにかえって人形遣いの方が邪魔になってよほど趣きを打壊すが、昔は暗い上に八つ口だけの赤い、真黒な「くろも」というものを着附けていたので目障りではなかった。あるいは木魚や鐘を使ったり、またバタバタ音を立てるような種々の形容楽器に苦心して、劇になくてはならない気分を相応に添えたものである。芝居の時間も長くはねは十二時過ぎから一時過ぎに及び、朝も暗い中から押かけて行くという熱心さで、よく絵に見かける半身を前に乗り出すようにして行く様があるが、どんなに一生懸命であったかを実証している。