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えどかとうきょうか
梵雲庵雑話
淡島 寒月
線上閱讀淡島 寒月《梵雲庵雑話(えどかとうきょうか)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 33,841 字 · 73 頁
こんな子供の玩具にも、時節の変遷が映っているのですからな。僕の子供の頃の浅草の奥山の有様を考えると、暫くの間に変ったものです。奥山は僕の父椿岳さんが開いたのですが、こんな事がありましたっけ。確かチャリネの前かスリエという曲馬が――明治五年でしたか――興行された時に、何でもジョーワニという大砲を担いで、空砲を打つという曲芸がありまして、その時空鉄砲の音に驚かされて、奥山の鳩が一羽もいなくなった事がありました。奥山見世物の開山は椿岳で、明治四、五年の頃、伝法院の庭で、土州山内容堂公の持っていられた眼鏡で、普仏戦争の五十枚続きの油画を覗かしたのでした。看板は油絵で椿岳が描いたのでして、確かその内三枚ばかり、今でも下岡蓮杖さんが持っています。その覗眼鏡の中でナポレオン三世が、ローマのバチカンに行く行列があったのを覚えています。その外廓は、こう軍艦の形にして、船の側の穴の処に眼鏡を填めたので、容堂公のを模して足らないのを駒形の眼鏡屋が磨りました。而して軍艦の上に、西郷吉之助と署名して、南洲翁が横額に「万国一覧」と書いたのです。父はああいう奇人で、儲ける考えもなかったのですが、この興行が当時の事ですから、大評判で三千円という利益があった。