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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

線上閱讀橘 外男《橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇(ウニデスちょうりゅうのかなた)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 247,361 字 · 483 頁

青空文庫

そして鳥打の下に柔和な瞳を綻ばせながら、銃を壁間に立てかけてにこにこと問題の函の方に近付いて来たのであるが、なんと外函を一瞥するや博士の眼は途端に異様な輝きを帯びてきたのであった。両博士とも西班牙語も独逸語もすこぶる堪能であった。

「おお!」と旧知にでも出っ逢したかのように、外函を撫でてみ、内函との寸分の隙間もない接触工合を調べてみ、一本の鋲や釘も使わぬ嵌め木の肩を叩いてみ、容器その物に、すでに無限の興趣を覚えているもののごとくであった。

内貼りの紙ともセロファンとも付かぬ、例の物を丁寧に剥がして陽に透かして見、第三の函からこれもまた鋸屑とも鋼鉄屑とも見分けの付かぬ、例の詰物を取り出して、マクドナルド博士とともに掌で揉んでみたり、しかもその瞳は言わん方なき驚異を現して……今までこの二人の博士のごとく、この外装にすらこんなにも綿密な注意を払った人たちが、どこにあったであろうか? おそらく外装調べだけでも、二時間くらいの時は費やしてしまったであろう。博士の注意は二体の木乃伊そのものにはあまり多くが払われず、この方はさっさと済ませてむしろ例の鞣し皮の小袋を取り出してザラザラと金貨を卓上に並べた時に、まさにその絶頂に達したのであった。