輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
線上閱讀橘 外男《橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇(ウニデスちょうりゅうのかなた)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 247,361 字 · 483 頁
「ではやっぱり、殿下に違いないわ!」
と未亡人は嘆息した。ロヴィーサの言うとおり、それが当夜のフィリップ殿下の御服装なのであった。金の拍車の付いた短靴を召されて、銀色の勲章飾りというのは、佩びていられたレレファン・ブラン大綬章の略綬を指すのであろう。そのとおりであった。お客様の前へ出なかったロヴィーサとしては、この広い邸の中で、あの人混みの中でもし殿下にお逢いしなかったならば、どうしてこれだけのことを知ることができたであろう。
「不思議だ、これは不思議だ、しかしお前の言うことも、間違いではない……アイネス嬢、これの言うことも、間違いではありませんがね、どうもわたしには、何のことやらサッパリわからなくなりました」
と解せぬ面持で頭を振り振り、未亡人は出て行ったが、そうそうわたくし、申し上げるのを忘れていましたと、ロヴィーサがまた重大なことを付け加えた。
「その時殿下は、白い手袋を持っておいでになりましたのです」
「そう……白い手袋をねえ……」
と嬢は打ち案じたが、これでロヴィーサが殿下に逢ったということは、もはや動かし難い事実となった。それが殿下の癖と見えて、白キッドの手袋だけは、いつも預り場へお預けにならず、必ず洋袴のポケットへお仕舞いになる。