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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

線上閱讀橘 外男《橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇(ウニデスちょうりゅうのかなた)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 247,361 字 · 483 頁

青空文庫

そして老人の背後からは、この都会の有力者たちなのであろうか。同じく外衣を着けた人たちが、続いてぞろぞろと降りてくるのであった。そして老人は、我々の前に来て、莞爾やかに一揖すると、慇懃な調子で何か話し掛けてくるのであったが、もちろん何を言っているのか、わかろうはずもないことであった。大尉もまたさっきで懲りていたから、もう強いてこちらから各国の言葉をもって話し掛けてみようともしなかった。よくよく困れば、なんとか言葉のできる者を選んで、向うから話し掛けてくるだろうと、高をくくったものか! ただ我々は決して敵意を帯びて来たものではないと示すために、にこにこと笑みを湛えているだけなのであった。

呆れたように、ちょっと沈黙してはまた話し掛け、当惑したようにちょっと口を噤んではまた話し掛け、あらゆる方法で老人は話し掛けてきたが、何を言っても通ぜぬため、今度は大尉との間に手真似が始まり出した。

しかし、山陰を指して、我々はそこにいる軍艦から来た。飲料水や糧食を補給してもらいたいし、船の修繕もしたいのだ……と大尉の手真似は、事情を知っている我々にはよく飲み込めたが、老人や側にいる人々には、何の身ぶりをしているのだか、サッパリ腑に落ちぬらしいのであった。