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ひかくかがくろん
比較科学論
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《比較科学論(ひかくかがくろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,520 字 · 19 頁
それから、現代の科学が、分析に偏する傾向が強いことも、時折指摘されていた。それに対して、「綜合の物理学」というものもあり得るというのが、先生の持論であった。例えば、ここに或る複雑な形の波形がある。現在の物理学の方法では、それを応用数学の力で、フーリエ級数に展開して、すなわち分析して調べるのが、普通のやり方である。任意の形の波は、全体の周期と同じ周期をもったサイン波と、その二倍、三倍、……のサイン波の倍音との和として、現わすことができる。任意の複雑な形の波を、サイン波の和の形に展開したものを、フーリエ級数というのである。サイン波の性質はよく分っているし、またその取り扱い方も簡単である。それで複雑な形の波を、サイン波の集合という形に分析すれば、各要素のサイン波について、その性質を調べ、その和として、全体の性質を表現することができる。この方法は、始終使われているが、計算が面倒であって、労多くして功の少い場合が多い。
先生の綜合の物理学では、これを「複雑な形の波全体」として、何かわれわれの感覚に触れさせようと試みられたのである。その一つの方法として、この波形の高低をトーキーのフィルム上に、濃淡で印画することを考えておられた。