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ひかくかがくろん
比較科学論
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《比較科学論(ひかくかがくろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,520 字 · 19 頁
六 結び
電子をそういう「実在」と思い込んでしまえば、それにいろいろな物性を賦与するのも自然の勢いである。まして、昔から物質の第一性質と考えられていた不可入性などについては、疑問をもった人は、ほとんどなかった。しかし先生は、その点までも、はっきりと指摘しておられる。
「もし今日電子の色を黒いとか赤いとかいえば学者は笑うに相違ないが電子が剛体であるとか弾性であるとかいうのはそれほど怪しまない。まして電子の不可入という事について疑う人は極めて稀だといってよい。しかし著者はこの如き仮定の必然性を何処にも認め得ない」といっておられる。これは非常な卓見であって、哲学的考察が物理学においても、如何に必要であるかを物語っている、珍しい例の一つである。
先生のこの言から数年にして、ド・ブローイによって電子の物性は除外され、シュレーディンガーの式によって規定されるところの形も不可入性もない数学的表現が電子である、ということになった。そしてこの基礎から出発した量子力学が、今日遂に原子力の秘密を解放するまでに発達したのである。
六 結び
比較科学論というのは、新しい言葉であって、その意味が、はっきりしていない。