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ひかくかがくろん

比較科学論

中谷 宇吉郎

線上閱讀中谷 宇吉郎《比較科学論(ひかくかがくろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,520 字 · 19 頁

青空文庫

文学や宗教など、国民性によって著しく異なるものには、比較文学とか、比較宗教学とかいう言葉は、当然あってよい。しかし自然科学のように、自然現象を対象とする学問には、国境も民族性もないはずである。従って、比較科学論などという言葉は、それ自身の中に矛盾がある、と思われるかもしれない。科学は人聞を離れた自然そのものを対象としている、という見方からすれば、そのとおりである。

しかし自然現象は非常に深くまた複雑であって、科学は、自然全体を対象とするものではない。自然界の中から、現在の科学の方法に適った面だけを抜き出して、それを対象としているという見方も成り立つ。この立場をとれば、比較科学論も成り立つわけである。

寺田先生は、はっきりと、この後者の立場をとっておられた。「今日の科学を盛るべき容器は既に希臘の昔に完成してそれ以後には何らの新しきものを加えなかった。」内容はつぎつぎと変って行ったが、容器、すなわち思考形式は変っていないという意味である。こういう立場をとれば、形の物理学や綜合の物理学などという全く新しい物理学も考えられる。それが本当の比較科学論である。