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ひかくかがくろん
比較科学論
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《比較科学論(ひかくかがくろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,520 字 · 19 頁
相手が鼠小僧や石川五右衛門のような場合には、非常に複雑で困難な実験を必要とする。こそ泥くらいならば、ちょっとした実験ですぐ分る。いずれにしても、犯人が分っていて、それを捕えるのに難易があるのであるから、これは警視庁型といった方がよいであろう。
ところが、これに反して、犯人の名前が分らないばかりでなく、犯人がいるかいないかも分らない場合もある。アマゾンの上流、人跡未踏の土地へ分け入った生物学者の場合がそれである。どんな珍奇な生物がいるかもしれないし、またいないかもしれない。この場合も、探すのであるが、その探すという意味が、犯人を捜索する場合とは大分ちがっている。思いがけない新種の発見は、アマゾンの上流だけに限らず、物理の実験室の中にもある。そういう新種を探すようなやり方の研究を、アマゾン型の研究と呼ぶことにする。アマゾン型の研究の特徴は、いるかいないか分らない新しいものを探すのであるから、題目が与えられるのではなく、「地域」が与えられるのである。生物の新種発見の場合ならば、この「地域」は、アマゾンの上流であるが、物理学の場合は、それはどこでもよい。