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かいていたいりく

海底大陸

海野 十三

線上閱讀海野 十三《海底大陸(かいていたいりく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 89,400 字 · 179 頁

青空文庫

「船がすこしもゆれていないぞ。――うわーッ、海はどこかへ行っちまったッ」

船客たちの怒号が、だんだんはげしくなっていった。

「海がどこかへいってしまったって? そんなばかなことが……」

甲板へはいだしてきた事務長クーパーは、それを聞きとがめた。

「フン、うちの船客は気がちがったらしい。海の上を走っているのに、海がどこかへ行ってしまったなんて……」

と、いいかけて、クーパーはハッと息をとめた。

「ありゃりゃ。海の音が聞こえないぞ。これはひょっとすると、ほんとうに海がどこかへ行っちまったのかもしれない。だけど、誰がそんな奇蹟を信じるものか」

クーパーはしきりに目をぱちぱちやっていたが、そのとき背後からかれの名をよぶものがあった。

「事務長はいませんか。電話です。電話ですよ」

それは秘書のマルラの声だった。クーパーはその声のする方に、またゴソゴソ四つンばいになって近づいていった。ところが、頭をイヤというほどマルラの頭にぶつけてしまった。マルラも同じように、ゆかの上をカニのようにゴソゴソはいまわっていたのだった。

「事務長、機関部から電話です。一こくも早くあなたを電話口へ呼んでくれといっています」