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せんこうてい「ハビヒツブルグ」

潜航艇「鷹の城」

小栗 虫太郎

線上閱讀小栗 虫太郎《潜航艇「鷹の城」(せんこうてい「ハビヒツブルグ」)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 132,395 字 · 263 頁

青空文庫

つまりが、勢力争いじゃ。そうして、感情やら、利害の衝突やらがつのりきった結果が、誰も知るとおり三伝の死ということで終ったのだよ。それも、一味が検挙されてから、はじめて分ったことで、三伝は横浜の事務所で、矢伏五太夫のために心臓を狙い撃ちにされた。屍体はそのまま、窓から海に落ちて分らずじまいになってしもうたが、いや三伝の死は、無類この上なしという確実なんじゃ。まさか、射ちはしまいと、軽く考えていたのじゃろう。三伝はせせら笑って、弾莢までも調べさせ、サア射てとばかりに、麗々しく胸をはだけたそうだ」

「なるほど、度胸も相当だし……芝居気たっぷりな奴ですね」

「なにしろ、鬼も怖れるという、仏領カレドニアのアンチモー鉱夫を志願したほどで、それから欧州各地を流れ歩いていたのじゃから、腕も度胸も、三伝だけはまったく群を抜いておったよ。ところが、多寡をくくって、よもやと思っていたやつを、矢伏が狙いを定めて、ドカンとやってしもうた。三伝は、あっと叫んで心臓を押えたなり、窓から海中に転げ落ちてしまったのだ。ところが、さて検挙してみると、三伝が保管していた、一味の利得金の所在が分らない。