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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
線上閱讀小栗 虫太郎《潜航艇「鷹の城」(せんこうてい「ハビヒツブルグ」)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 132,395 字 · 263 頁
この女の胸には、これ以上、めくる頁がなくなってしまったわけだ。
「どう、白状したら……、でも、いい醜態じゃないの。自分がさんざん、罪科もない人たちを、見下していたんだからね。その台の下へ、いまに御自分が立つんでしょうからねえ」
その、怨み深げな早苗の顔が、ぐうっと迫ったように思われたとき、彼は意外にも平然たる口の利き方をした。
「じゃ早苗、すると君は、僕がこの室を出て、お悦を射殺してからまた入って来たと云うんだね。だが、僕のどこに、そんな銃器があるだろうか。君はお悦が、どうして殺されたかも知らないでいて……」
「なに、銃器」
この、あまりにも意外な、強弁としか思われぬ言葉に、お勢も成戸もアッと驚きの声を洩らした。
すると左枝は、右側の羽目にある、よく見ると、色が変っている嵌め込みを指差した。そこは、よく魔窟にある、「魔鏡」に類したもので、色のよく似た、護謨板が嵌め込まれてあった。
けれども、埃の様子を見ても、最近に取りはずしたような形跡はないのである。
彼は、そこにある針先ほどの孔を示して、
「君、少々講義めくがね、これでも、前の商売のことは、いくらか憶えている。