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かわ
牛をつないだ椿の木
線上閱讀新美 南吉《牛をつないだ椿の木(かわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 75,647 字 · 155 頁
みんながどっとわらった。また、屁えこき虫の石が、例のくせを出したのである。
なんというときに、また、石太郎は屁をひったものだろう。春吉君は、すかをくらわされたように拍子ぬけして、わらえもしなければおこれもせず、もじもじして立っていた。
藤井先生はまゆをしかめ、あわててポケットからとり出したハンケチで、鼻をしっかとおさえたまま、こりゃひどい、まったくだ、さあまどをあけて、そっちも、こっちもと、さしずされ、しばらくじっとしてなにかを待っていられたが、やがて、おそるおそるハンケチを鼻からとられ、おこってもしょうがないというように、はっはっと、顔の一部分でみじかくわらわれた。だがすぐきっとなられて、だれですか、今のは、正直に手をあげなさいと、見まわされた。
石だ、石だ、と、みんながささやいた。藤井先生は、その「石」をさがされた。そして、いちばんうしろの壁ぎわに発見した。石太郎は、新しい先生だからてれくさいとみえて、つくえの上に立てた表紙のぼろぼろになった読本のかげに、かみののびた頭をかくすようにしていた。
立っていた春吉君は、そのとき、いい知れぬ羞恥の情にかられた。