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かわ
牛をつないだ椿の木
線上閱讀新美 南吉《牛をつないだ椿の木(かわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 75,647 字 · 155 頁
大きなりっぱな小学校である。木づくりの古い講堂があり、えび茶のペンキでぬられた優美な鉄さくが、門の両方へのびていっている。運動場のすみには、遊動円木や回旋塔など、春吉君の学校にはないものばかりである。ここの小学校の生徒や先生は、みな、町ふうだ。うすいメリヤスの運動シャツ、白いパンツ、足にぬったヨジウム。そして、ことばが小鳥のさえずりににて軽快だ。
春吉君は、一歩門内にはいるときから、もうじぶんたち一団のみすぼらしさに、はずかしくなってしまう。なんという生彩のないじぶんたちであろう。友だちの顔が、さるみたいに見える。よくまあこんな、べんとう風呂敷をじいさんみたいにしょってきたものだ。まったくやりきれないいなかふうだ。
こういう意識が、運動会のおわるまで、春吉君の中でつづく。ちょっとでも、じぶんたちのふていさいなことをわらわれたりすると、春吉君はつきとばされたように感じる。町の見物人たちのひとりが、春吉君のことを、まあ、じょうぶそうな色をしてと、つぶやいたとしても、春吉君は恥辱に思うのである。町の人がおどろくほどの健康色、つまり、日焼けしたはだの色というものは、町ふうではなく在郷ふうだからだ。