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かわ

牛をつないだ椿の木

新美 南吉

線上閱讀新美 南吉《牛をつないだ椿の木(かわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 75,647 字 · 155 頁

青空文庫

まるたんぼうのはしを、大工さんがのみで、ちょっちょっとほってできたようなその顔を、久助君はまぢかにつくづくと見た。

「徳一がれにいやひんかァ」

と、久助君がまたきいた。

「いやひんだらァ」

と、兵太郎君がこたえた。赤とんぼが、兵太郎君のうしろを通っていって、ほし草にとまった。そのはねが、日の光をうけてきらりと光った。

「いってみよかよォ」

と、久助君がじれったそうにいった。

「ううん」

と、兵太郎君はなま返事をした。

「なァ、いこうかよォ」

と、久助君はうながした。

「んでも、徳やん、さっきおっかンといっしょに、半田の方へいきよったぞ」

と、兵太郎君はいって、つよいかおりをはなっているほし草のところへ近づき、なかばころがるようにもたれかかった。

久助君は、徳一君のところにもなかまたちはいないことがわかって、がっかりした。が、兵太郎君の動作をみたら、きゅうに、ここで兵太郎君とふたりきりで遊ぼう、それでも十分おもしろいという気がわいてきた。ほし草の積んであるところとか、つぼけ(藁積)のならんでいるところは、子どもには、ひじょうにたくさんの楽しみをあたえてくれるものだ。そこで、久助君も兵太郎君のそばへいって、じぶんのからだをゴムまりのようにほし草にむかって投げつけた。