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かわ
牛をつないだ椿の木
線上閱讀新美 南吉《牛をつないだ椿の木(かわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 75,647 字 · 155 頁
おやと思って、五郎がこごんでみますと、クロはからだじゅうあせだくになって、目をつむり、歯をくいしばって、ふといいきをついているのです。
「たいへんだ、団長さん。クロがはらいたをおこしたらしいです」
団長もほかの座員も、ドカドカとあつまってきました。五郎は団長とふたりがかりで、竹の皮でくるんだ、黒い丸薬をのませようとしましたが、クロはくいしばった口からフウフウあわをふきふき、首をふりうごかして、どうしても口をひらきません。しばらくして、ピリピリッとおなかのあたりが波をうったと思いますと、クロは四つんばいになって、おりの中をこまのようにくるいまわりました。それから、わらのとこにドタリとたおれて、ふうッと大きくいきをふいて、目をショボショボさせています。
見物席のほうからは、つぎの出しものをさいそくする拍手の音が、パチパチひびいてきます。そこでとうとう、道化役の佐吉さんが、クロにかわって、舞台に出ることにしました。そのとき、だれかが、
「正坊がいたら、薬をのむがなあ」
と、ためいきをつくようにいいました。団長は、
「そうだ。お千代、正坊をつれてこい」
と、ふといだみ声でめいじました。