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まきのとみたろうじじょでん

牧野富太郎自叙伝

牧野 富太郎

線上閱讀牧野 富太郎《牧野富太郎自叙伝(まきのとみたろうじじょでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 94,045 字 · 185 頁

青空文庫

育ててくれたのは祖母で、牧野家の一人息子として、とても大切に育てたものらしい。小さい時は体は弱く、時々病気をしたので注意をして養育された。祖母は私の胸に骨が出ているといって随分心配したらしい。酒屋を継ぐ一人子として大切な私だったのである。

生まれた直後、乳母を雇い、その乳母が私を守りした。この女は隣村の越知村からきた。その乳母の背に負ぶさって乳母の家に行ったことがあった。その時乳母の家の藁葺家根が見えた時のことをおぼろげに記憶している。これが私の記憶している第一のものである。その後乳母に暇をやり、祖母が専ら私を育てたのである。

酒屋は主人が亡くなったので、祖母が代わって采配を振って家の面倒を見ていた。旧い家であるので、自然に家の定りがついていて、家が乱れず商売を続けていた。

家には番頭――この男は佐枝竹蔵といった――がいてよく家のために尽していた。この男は香美郡の久枝村から奉公にきた人である。これがなかなかのしっかり者であり、後に独立して酒屋を営んでいた。こういう偉い番頭がいたので主人亡き後も、よく商売が繁昌していた。

その頃のことでよく憶えていることは、私はよく酒男に押えつけられて灸をすえられたことである。