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まきのとみたろうじじょでん

牧野富太郎自叙伝

牧野 富太郎

線上閱讀牧野 富太郎《牧野富太郎自叙伝(まきのとみたろうじじょでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 94,045 字 · 185 頁

青空文庫

嫌になった理由は今判らないが、家が酒屋であったから小学校に行って学問をし、それで身を立てることなどは一向に考えていなかった。

小学校を退いてからは本を読んだりして暮らしていたらしいが、別に憶えていない。

私はその前から植物が好きで、わが家の裏手にある産土神社のある山に登ってよく植物を採ったり、見たりしていたことを憶えている。こういう風に悠々遊んでいたわけだが、明治十年頃、ちょうど西南の役の頃だったか、私のいた小学校の先生になってくれといってきた。その頃は学校の先生といえば名誉に思われていたので私は先生になり、毎日出勤して生徒を教えた。校舎は以前の名教館のであった。役名は授業生というので、給料は月三円くれた。それで二年ばかりそこの先生をしていた。

それより少し前に佐川に英学を入れた人がある。高知の県庁から長持に三つ英書を借りてきたのである。地理・天文・物理・文典・辞書等があった。そして高知から英学の先生が二人雇われてきた。その中の一人を長尾長といい、他の一人を矢野矢といった。二人とも似たような珍な名の先生であった。この二人の先生はABCから教えてくれた。