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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

線上閱讀宮本 百合子《獄中への手紙(ごくちゅうへのてがみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 229,387 字 · 453 頁

青空文庫

十一月十二日夜

のために、解剖に際して必ず脳と脊髄解剖を行うべしと特書してある由。これは科学者らしいいい話です。けさ新聞でよんで心持よかった。この人は昔の留学時代W・リープクネヒトなどと会ったりしている。では又。おお、おなかが空いた。栄さん、小説を直しに来ると云ってまだ来ない、繁治さんのカゼがわるいのかしら。お礼はつたえました。

十一月十二日夜 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕

十一月十二日  第七十一信

きのうは、そちらからのかえり、二人にくっついて、久しぶりで林町へゆきました。本も入用だし。

太郎、途中で眠くなって、トロンコになって、形勢危しと見たおふくろさんは、一生懸命、電車の窓から、「アラ、トラックよ、何のせてるんでしょう」などとやって、やっと歩かせて辿りつきました。咲は、太郎を「悧巧そう」と一度ならず云われたとくりかえしてよろこんでいました。「お愛想かと思ってよく考えるけれど、宮本さんだもの、ねえ、まさかお愛想だけで云いはなさらないから」とホクホクして、父さんが戻るやすぐ報告して居ました。アボちゃん、「あっこおばちゃんの小父ちゃん(あなたは、こういうむずかしい呼名の方なの、そういう云い方で、何か一組として分るのですって。