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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《獄中への手紙(ごくちゅうへのてがみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 230,599 字 · 458 頁
きのう、送られて来た同人雑誌を見ていたら、六芸社から出た『文芸評論』の、芸術性の問題にふれているところ、内容とか形式とか二つに分けて芸術的感銘は語れない、その統一がいると云われているところを一つの発展としてとりあげているのをよみました、誰かの文芸評論の中で。
これは私を肯かせるのよ。何故なら、中公の『現代文学論』では六芸社の著者が、そこへともかく線をのばして描き出しているという文学史のステップを一つも見ていませんからね。あれはその点正当に云って落ちている点です、いきなり『芸術論』の著者の見解の未展開であったところだけに視点をあつめてものを云っていますから。何か感情的なところもある。文学史としてちゃんと眺めれば、その一つの前へのばされた線はよしんば短くあろうとも本質においてとばせません。
人間にかえるものがたりについて書いていらしたけれど、そればかりでなく、この点に私としては云いたいところがあって、それで書評はどの中へも入れなかったのよ。書評は好意をもってかいていて、それは勿論いいのですが、いろいろごたついたあと、そんなことへの全く私だけの心くばりがあってつとめてよく見たというところが、あとから見ると、文芸評論書評として不満になったわけです。