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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《獄中への手紙(ごくちゅうへのてがみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 230,599 字 · 458 頁
五月十六日
さあ、もう髪もすっかりかわきました。今夜は早くねるのよ。この間うち私はくたびれて、かえって眠り不足になっていたから。
中公の書き直した部分の校正が出はじめました。年表はまだ。火曜迄には、『私たちの生活』もすっかりあちらにわたせて、次のにかかれる頃でしょう。ではおやすみなさい。
五月十六日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
五月十六日 第二十四信
ね、今ね、家じゅう屋鳴り震動という有様です。おかしいでしょう。けさね、派出婦さんが来たの。今掃除しているのですけれどね、この人は働く音響効果を大変愛好するらしいわ。実に笑えます、だって、ハタキにしろ箒にしろ、その道具が立てられる最大の音を出すのだもの。そして今はガラスを拭いているのよ。ガタガタ云うでしょう、たださえ。その最高のガタガタをやるのだもの。それでも、これで家じゅうさっぱりして、お恭ちゃんが使っていた布団類の洗い張りも出来ていいわ。
今月は半月大ばたばたでした。そして、御無沙汰つづきのようになってしまいました。この前書いたのは八日でしたもの。九日に書いて下すったお手紙ついたのは十二日よ。