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げんだいにほんのしそうたいりつ

現代日本の思想対立

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《現代日本の思想対立(げんだいにほんのしそうたいりつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 頁

青空文庫

問題は資本制の内部で編成されたわが国における土地所有の関係に、集中せざるを得ない。

そんなわかり切ったことをしかし、今さらいい出して何にするのか、と人はいうかも知れない。だが資本制社会の必然的な矛盾の代表的な一つを救済(振興?)するために、振興株式会社という資本制そのもののメカニズムを考え出した、例の調査会の天才的なオリジナリティーに、私は世間の耳目を集めたいからだ。

資本主義の矛盾は資本主義の機構自身によって克服される!こういう永久運動の可能性を決論し、それを四たび然りといった調査会なのである。

ところがこの永久運動説は、実は、必ずしも東北振興調査会委員諸氏の独創ではなかった。すでに先月の初め、拓殖委員会は「満州移民会社」案なるものを立案し、満州帝国へ日本人を輸出して、一つには内地における穀つぶしを減らし、一つには満州帝国の農業を開発してやろうと考案したのである。ここでもまた政府は年六分の配当を保証しなければならぬというのである(私は今、アフリカ人を北米へ輸出した会社が、株式であったかどうか、何割の配当をやったか不幸にして思い出せない)。――もっとも一般に社会事業(社会政策から慈善・教化・までも含めて)が立派に株式営利会社であることは、このごろ珍しい現象ではないのである。