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げんだいにほんのしそうたいりつ
現代日本の思想対立
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《現代日本の思想対立(げんだいにほんのしそうたいりつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 頁
―『セルパン』一九三七年・三月号――略々全文)。
最近、科学がジャーナルの上でとり上げられ、問題にされてきたのは、自然科学の専門的知識が、より深く正しく通俗化されてきたからと云うのではない。いわゆる科学の通俗化は、知識の啓蒙上、乃至教育上のことであって、科学ジャーナリズムが、殊に進歩的大衆によって、異常な関心を持たれてきたのは、実は、それが科学の科学批判であり、科学論であり、世界観の問題であり、思想であるからだ。思想は、実践を反映する意識であるから、やがて大衆の社会的実践、ひいては政治的問題にまで関連付けられる。この国の客観的情勢は、だから科学を正しいジャーナリズムに切迫させないでは措かないのだ。そして、科学知識の見世物的卑俗化ではなく、科学的精神の高揚ということで、科学認識論的問題、並に世界観の把握のために、良心的な科学者、乃至哲学者が動員されてきたとみられよう。かくて、科学の科学批判が、アカデミーでなく、むしろそれに対立しているジャーナリズムの側にたって、尖鋭化してきたことは注目すべきだ。尚、一流新聞が競って「科学欄」を設けているのは結構なことだが、それが単に科学知識の通俗化であるのは致し方ないとしても、ジャーナリストとしては、科学的精神の把握につとめるべきではなかろうか。