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うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二(うみがめ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 144,507 字 · 291 頁
なにしろ珍らしい御用であるので、組頭も心配していろいろの世話をやいた。朋輩たちも寄りあつまって手伝った。そこで問題になったのは、三人が同時に火をくぐるか、それとも一人ずつ順々にはいるかということであった。
二
誰がまず第一に鐘ヶ淵の秘密を探るかということが面倒な問題である。三人が同時にくぐるのは拙い。どうしても順々に潜り入るのでなければいけないと決まったのであるが、その順番をきめるのがすこぶるむずかしくなった。第一番に飛び込むものは戦場の先陣とおなじことで、危険が伴う代りに功名にもなる。したがって、この場合にも一種の先陣争いが起って来た。
組頭もこの処分には困ったが、そんな争いに時刻を移しては上の御機嫌もいかがというので、結局めいめいの年の順で先後をきめることにして、三上治太郎は二十五歳であるから第一番、その次は二十二歳の大原右之助で、二十歳の福井文吾が最後に廻された。年の順とあれば議論の仕様もないので三人もおとなしく承知した。
いよいよ準備が出来たので、将軍吉宗は堤の上に床几を据えさせて見物する。お供の面々も固唾をのんで水の上を睨んでいる。