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しんせんどうとかがく
神仙道と科学
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《神仙道と科学(しんせんどうとかがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,215 字 · 9 頁
前著『日本のこころ』の中に、露伴先生の『仙書参同契』の解説をした文章を載せておいた。その中で、古代東洋の神仙思想の精髄は、現代の科学と矛盾するものではなく、むしろ啓示を与えることも有り得るだろうという意味のことを書いた。
その一つの例として、デデキントの連続の理論と、魏伯陽の神仙道とを、比較してみよう。現代の物理学はもちろん哲学までも、近代数学におぶさっているところが、非常に多い。その近代数学の最大の課題の一つは、連続の問題であった。ツェノンの逆理以来、この連続の問題が、少し大袈裟にいえば、近代数学における最大の課題であった。
初等幾何学を習った人は、点が大きさの無いものであり、線は幅をもたないものであることを知っている。そして線は点が「連続的」に動いたあとであることも、一応承知している。しかしこの「連続」の問題は、少し深く考えてみると、非常にむつかしい問題なのである。もっともこれは専門外のことであって、仰々しく述べ立てる資格は全くないのであるが、幸い手近なところに非常にいい本がある。それは吉田(洋一)さんの『零の発見』である。十数年前に岩波新書の一冊として出版された時は、小冊子ながら天下の名著といわれた本であって、今日までも生命のある好著である。